桜井です。
あけましておめでとうございます。
本年も、どうかよろしくお願いいたします。
昨年末に発売させていただいた『黄雷のガクトゥーン』、多くのご好評を
いただいています。本当にありがとうございます。
ご感想やファンアート、ファンSSなど、沢山拝見させていただいてます。
お礼の気持ちを込めて、ノベルアンソロジーブックや、Webノベル──
だけでなく、他にもあれもこれも企画中です。
どれもこれも企画承認されましたので、近々、お伝えできるものと思います。
ご期待の「あれ」も「これ」も、できますよー!
これも皆さまのご声援のお陰です。
きちんとした形でお礼のあれこれをお届けできるよう、努めますね。
そしてそして。
今回は、お礼の気持ちを先行でお届けということで<(_ _)>
発売前のキャンペーン企画でtwitter小説が先日から始まっているのですが、
こちら、発売前に企画参加いただいた方のみの閲覧となっており──
企画参加なさっていない方にも、先行での気持ちお届けができまいかと
考えてみました。
ちょっとした、SS、程度のものなのですが。
お楽しみいただければ幸いです。
(↓こちらになります↓)
『思弁的探偵部邸のお風呂事情:ネオン』
さむ、さむ……。
最近ほんとに寒くて……。
息なんてほら、こんなに真っ白。
脱衣所にも一応、暖房機関(ウォームエンジン)は置いてあるのだけど、
スイッチは服を脱ぐ時に入れるようにしてるから。
ああもう、寒……さむ、さむ。
お風呂に入ってる間に暖房機関が働いて、お風呂を出て髪を乾かそうと
する頃にはすっかり暖かくなってるっていう寸法。
それ自体はいいのだけど、やっぱり、服、脱ぐ時は寒い!
さむ、さむ。
早くお風呂入っちゃわないと。
◆ ◆ ◆
はふ。
あったかい……。
広い浴槽、最っ高!
そのまま座ると肩まで浸かって、という訳にはいかないものの。
ずるずるお尻を滑らせて、ぎりぎり、肩のあたりまでなんとかお湯に浸かる。
旧英国大使館こと、探偵部のお屋敷。
ここのお風呂はすごく広い。こんなに広い!
女子寮の──
ディアーネ寮の特別大浴場ほどの広さや深さは、勿論、ないのだけど。
カダス・ナイズされた英国の浴槽はそれはそれで独特の良さがあると思う。
バスタブが置いてある形とは違って、ここのそれは、全面石造りの床にぽっかり
穴が空いてある形。そこに、熱いお湯がたっぷり注がれていて。
こうしてお尻を滑らせれば、ぎりぎり、肩の上まで浸かれる深さ。
普通に入ると、肩まるごと出ちゃうのが難点かな。
はー……。
きもち、いい……。
特別大浴場で知った極東系のマナーによると、お湯に“浸かる”時には、必ず
体を先に洗わないといけない、のだけど……。
寒い、から!
マナー、度外視で!
それに、うん。
マスターはお湯に浸かったりしないみたいだし?
先日訊いてみたら、シャワーしか使ってないぞ、って。言ってたし。
それならそうと先に言ってくれたら、わざわざ彼の帰る時間を見計らってお湯
溜めて、「お風呂、今なら熱いですよ」とかしなかったのに。もう。
でも、うん。
おかげでこうして、気にせずざぶんとお湯にいきなり浸かれるもんね。
そこは感謝しないと。
はー……。
あったかい……。
きもちいー……。
はふ……。
「ネオン」
はぁい……。
「なんだ、風呂か。
私の部屋でマフラーを見なかったか」
みてないですよぉ……。
って──
「何だ。よく聞こえなかった」
へ。
へ!?
って、ち、ちょっと、ま、マスター?
あの、入浴中、です!
入浴中ですから!
こっち来ないでくださいね!
「何だ。よく──」
あっ、磨りガラスの向こうでこっち来てるのがわかる!
ち、ちょっと待って! 待った!
動くな(フリーズ)!
「寒いのか?」
あっ、だめだめだめだめ、ばか、だめ!
だめ──!
(おわり)
2013年01月05日
ガクトゥーンお礼SS(その1)
posted by 桜 at 11:24| Comment(3)
| SS
ガクトゥーンでたっぷり二人の日常を堪能させてもらったおかげで、マスターとネオンの声がそのまま頭のなかで再生されてしまいます。
きっとこのあとも
「湯船につかっているのなら、しっかり肩まで温まるといい。極東の国ではおさなごでも数を数えながら温まるように言われるものだ。
私は、あまり好きではないが」
などと変に世話を焼いてネオンを困らせるのでしょうね・・・ 微笑ましいです